Green Note

Green Shop+Eco Green+の店主が魅力的な植物や水草、熱帯魚などを紹介します。
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私にとっての品種と実生の意味
ホシクサ科植物の水草において実生による増殖は株数を増やす事に関して絶大な威力を発揮する手法と言えるでしょう。
しかしながら実生には大きなメリットとデメリットが表裏一体となっています。
そのメリットとデメリットを理解して実生の意味を考えてみましょう。

まずはメリットですが第一に世代の交代を行えるという点、
そしてもう1つに一度に増殖できる株数が非常に多数という点、

そして

親株のクローンではない別個体を得られる

という点です。

ホシクサ科に限らず植物は主に2通りの方法で増殖して行きます。
それが

種子繁殖

栄養繁殖

の2つである事は理科の授業でも学習した通り皆様も存じておられる事だと思います。

ホシクサ科植物に照らし合わせるならば「株分かれ」と呼ばれる親株自体に新しい成長点が出来て分岐するようなケースが栄養繁殖です。
また花芽形成の後に頭花や葉鞘に成長点が形成されるケースも栄養繁殖です。

逆に実生を意識しなくても花芽形成後頭花が水面上に出て開花し、結実した種子が水槽内より発芽したケースが種子繁殖です。
この2つを理解していただくだけで実生の重要性と意味がお解かりいただけると思うのですが如何でしょうか?



次に実生によるデメリットです。
デメリットよりも注意していただきたい点と言えるかもしれません。

植物は花を咲かせて種子を実らせる過程において大量のエネルギーを消耗します。
日本産のホシクサ属の多くが開花結実後枯死してしまう原因はズバリ種子を結実させ次世代にバトンを渡す事に全てのエネルギーを費やしてしまうためです。
そのため花を咲かせ種子を得るという行為は草体自体のエネルギーを激しく消耗するリスクを背負わなければなりません。
種子を採れたところで発芽に失敗してしまうとその種をロストしてしまう事になりかねません。
大切なのは実生に関する技術、そして発芽した株を育て上げる栽培技術です。
また属や種により種子数が異常に少なかったり(1頭花に1~2個程度)発芽率が極端に低かったり発芽条件が整わなければ発芽しないものもありその見極めは経験を積まねば困難を極めます。


次に開花した際の交雑です。
ホシクサ科植物は例外を除き風媒花だと云われています。
よって雄花は花粉を飛ばし雌花は花粉を受け取り種子を結実させます。
この過程において同じ栽培環境下に同属、もしくは同種の別産地などの開花ステージの株が存在する事はそのまま交雑の可能性に直結します。
自生地下でホシクサとヒロハイヌノヒゲが混生していても中間的要素を持った株は見る事ができません。
しかしながら比較的近縁な他種、
例を挙げるならばクロホシクサとアマノホシクサとゴマシオホシクサ、
ツクシクロイヌノヒゲとヤマトホシクサ、
オオシラタマホシクサと外国産のオオシラタマホシクサ、
ホシクサ同士の別産地、
など交雑する可能性はほぼ無限にあり無防備に同栽培下に置くべきものではありません
よって種子を得るためには確実に他の株の花粉をシャットアウトできる環境が必須となります。
あとの祭りとならないように常に注意を払わねばなりません。

最後に実生により形質がバラける事の意味と重要性です。

形質がバラける事に関してそれを実感できる良い例があります。
皆様はホシクサの種子を蒔いた際に発芽のタイミングに種子毎の差がある事にお気づきでしょうか?

一度水に浸すと発芽を開始する種子

二度目に発芽を開始する種子

数度目にようやく発芽を開始する種子

このようにバラけるのは別個体を得られる実生ならではの事であり湿地性植物であるホシクサの生き残り戦略でもあります。
もし全ての株が同じ形質であったとすると万が一全ての株が大干ばつや農薬の散布等で全滅してしまうとその種は容易に絶滅してしまいます。
それを避けるためにわざわざ種子毎に発芽のタイミングをずらしてあるのです。
自然の中で種を存続させるための驚くべきメカニズムなのです。
どうか「発芽しない・・・」と落ち込まずに驚いてみてください。

そしてこの様々な形質の株を育てた結果、中に面白い形質を持った株が現れます。
頭花から子株を出す株、基部から不定芽を多数出す株・・・
その中から選抜を繰り返し通常の水草と同様に水槽内で楽しめる品種を作り出す事が出来ます。
そしてこの品種において実生は更なる改良を重ねる意外は絶対に行ってはならない禁断の行為でもあるのです。

例えばヒメシラタマホシクサという品種を開花させ種子を得たとしましょう。
それらの種子はヒメシラタマホシクサの種子と言えるでしょうか?
答えはNO!です。
当然ながら形質は再びバラけてしまいヒメシラタマホシクサではなくただの産地不明ホシクサとなってしまいます。
その間違いが現在罷り通ってしまい本物のヒメシラタマホシクサはもう絶滅状態に陥っています。
そもそも栄養繁殖でのみ増殖するしかない生産性の低い品種が一般に流通する事など無いでしょう。

しかしながら品種と言っても未だ見ぬ「斑入りホシクサ」の可能性、
更なる面白い形質の株を得る可能性を考えると実生はやはり魅力的です。
ただそれは数百の株を全て育て上げる確かな栽培技術を持ってしても前回の斑入り植物の項で申し上げたとおり後は運任せです。
それを知った上で追いかけるのもまた趣味家の領域と言えるでしょう。

また現在流通している南米産ホシクサ科の水草はそのほぼ全てが栄養繁殖により増殖されたものであり実生とは縁遠いものとなっています。
それを敢えて実生により増殖させるのもこの趣味の醍醐味と言えるのではないでしょうか?
画像はマットグロッソスターの開花ステージに進んだ株です。

開花ステージのマットグロッソスター


大変に魅力的ではないでしょうか?
この株は高さ45㌢の水槽の水面に成長点が達し花芽形成後開花した直径40㌢にも達する株です。

そして開花したお陰でCarex氏によりクロホシクサに比較的近いEriocaulon(ホシクサ属)である事が確認されました。
ホシクサ科の分類において開花は必須条件です。
そういった意味でも趣味家が栽培している種を極める事は趣味を深め、趣味家自身がレベルアップする過程において欠かせない作業でもあるのです。

購入し、栽培し、殖やし、オークションに出して終わりという現在の状況は非常に寂しくあります
その種の魅力も何も知らぬまま趣味を続ける事に何の意味があるのでしょう。
その殖やした株で何年も何十年も楽しむ事が出来るでしょう。
その殖やした株は栽培者に色々な事を教えてくれるでしょう。
ホシクサ科植物の水草をポットに植えて水槽に沈めて美しく育つでしょうか?
育つはずがありません

魅力とはその種が全開になった時に見せてくれる輝きに他なりません
美しいものを美しいと思う事は何よりも簡単であるはずなのにその楽しみを知る方は本当に少ないものです。
その楽しみ方を理解してくださる方が徐々にでも増えて行けば趣味性も高くなり更に楽しみも広がるでしょう

私が最も楽しんでおられる方だなと思うお客様は何の変哲も無い水草水槽にただただトニナsp.を一面に繁茂させておられます。

この草が好きなんです

本当に綺麗ですよね

どれだけ見ていても飽きませんね

本当にいい笑顔で仰います。
そしてそのその水草水槽はトニナsp.が日本に入った当初からず~っと変わらずに繁茂し、維持され続けているのです。
その情熱好きという気持ちは一時凌ぎの技術を遥かに凌駕する素晴らしい技術なんです。
この方の栽培技術の高さが理解できる方もまたホシクサ科植物を相当好きな方だと思います。
この離れ業をやってのける事のできる栽培技術と情熱を持った趣味家は本当に少数ですから。
何を求めるかは人それぞれながらも頂を目指せば行き着くところは同じなのです

実生はその中の手段のひとつです
どう使うか、どう生かせるかは趣味家次第、全ては「好き」という原動力によって意味や捉え方が変わってくるのです。
勿論普通の水草のように水槽を飾る楽しみ方もコレクションする楽しみ方も維持を年頭に挑戦を続ける楽しみ方も一様に素晴らしいものです。
皆様はどのような事に興味を覚え追求を重ねるのでしょうか?
私はこれからのホシクサ科植物の水草が本当に楽しみでなりません。
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斑入り植物の魅力と危うさ
今日からお店のホームページにブログをくっつけてみようと思います。
第一弾は

斑入り植物

についてです。

斑入り植物は水草、観葉等ジャンルを問わずにその希少性と美しさで遥か昔から人々を魅了し続けています。
その出現率の低さや希少性から価格も高価なものが多いのですが水草の中には安価で美しい種が多く知られています。
ハイグロフィラ"ロザエネルビス"やホワイトウィステリア等栽培の容易で安価な品種は初心者の方にも親しまれ非常に身近な存在と言えるでしょう。
観葉でも斑入りやゴールデンのポトスやクワズイモなどが比較的安価で市場に供給されておりよく目にする事ができます。

しかしながら斑入り植物の最前線ともなると途端に話は難しくなります。

まず難しいのが出現させる事

そしてその斑を継続させる事

そして何よりも品種として確立させる事

この全てをクリアするのは非常に難しいと言わざるを得ません。
栽培技術はもちろんの事、運も強く要求されます。

そんな中Eco Greenの水槽の中で斑入り植物?が出現しました。
曙斑ポゴステモン

ポゴステモンの曙斑です。

斑入りと一口に言っても様々な模様や形態があり原因も異なります。
もしこのポゴステモンが肥料不足でこのような斑を出していれば施肥する事によりこの斑は消えてしまうでしょう。
今現在は純白の葉を展開し1週間程度で後暗みして黄緑の葉へと戻って行きます。
他にも葉脈が白く抜ける「葉脈斑」や葉一面に白色や黄色の斑が散らばる「散り斑」などがあります。

そして恐ろしいウィルス斑

これは蘭を楽しまれておられる方には身近な事なのですが水草ではほとんど知られていません。
私が一番恐れ栽培しない水草があります。

それが「斑入りトニナ

と呼ばれている水草です。
同種のタイプ違いの水草にも2度その症状が転移しているのを目にしています。
成長不良とはまた異なる独特の斑点はサギソウ等ではアブラムシが媒介者となり爆発的な感染力を見せます。
水槽内という限られた環境の中では中々感染はしないものの当店と致しましてはお客様にオススメなど決して出来ない水草であり取り扱った事は一度もありません。

もし何らかの媒介者が現れて感染が始まったとしたら・・・
そう考えてしまうと恐ろしくてとてもお店の水槽に入れる気になれないのです。
販売している植物の産地や素性についてよく知っている事はお店として当然なのですがお客様にお約束したい一番の要点は

安全性

です。
この趣味を健全に末永く楽しみ続けていただく事が店主の最大の喜びです。
今回は斑入りにまつわる小話ですが皆様はどのような植物がお好きなのでしょうか?
時間のある時少しでも皆様のお役に立つような情報や小話を書いていけたらなと思います。

それでは失礼致します。

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